インターネット家庭教師集団ヘルベテのブログ

無料通話アプリで受験生の勉強を支援するNPO法人「インターネット家庭教師集団ヘルベテ」のブログです。

なぜヘルベテなのか

なぜ私たちはskype家庭教師集団ヘルベテ」の活動を始めたか。

根源を辿ってゆくと、実は「不満」に行き着きます。現在の教育のあり方と、教育環境と社会構造への不満です。

 

日本では「学歴社会」「偏差値」といった価値観が根強く残っています。これらは勉強することによって得られます。もちろん、受験勉強を教えるというヘルベテの活動上、このことは無視はできませんし、生徒を指導するうえで指標とすべきことの一つだと考えております。そして、現状これら何のために価値があるのかと思い返してみると、社会に出た時(出る時)に有利に働きます。そのために、親は子供に塾や家庭教師などの教育産業にお金をかける気持ちは往々にして理解し易いですし真っ当だと思います。

しかし、一方で本来の学びとは、果たしてこれで良いのだろうかという違和感を私たちヘルベテが感じていることも事実です。個々の「学び」が「社会」を開拓する原動力になるのではなく、自分や自分の子供だけが「社会」から振り落とされないようにするための道具に過ぎないとするならば、それは自分から学ぶのではなく、親、そして学校など外部的要因から「学ばされている」といった要素がより強いのではないのでしょうか。そのような現状を鑑みるに結局のところ、現代社会では、子供たちの将来の道を決めるのは、本人の個性や意思ではなく、単に家庭の経済力、出身学校をはじめとした生育環境に過ぎないのではないか。言い過ぎかもしれませんがこれが我々の実感です。ですので私たちは自ら「学びたい」という意思を持つ生徒さんを歓迎します。

 

 

「学び」とはすなわち、私たちが世界に興味を持って、おのずと学び始めること。その学びによって世界と自己とが結びついてゆく実感を積み重ねてゆくこと。こういう仕事のことを私たちは「学び」の姿ではないかと考えています。私たちは現代社会を取り巻く教育環境が、「学び」とは離れてしまっているのではないかと感じています。

 

そして、その「学び」において、人と人との関わりは決して無視できません。

他者は自分の知らない世界への入り口に他ならないからです。

学校では黒板に板書して、みんなに同じ知識を均一な方法で教えます。しかし、無数の人間が構成している社会と関わろうと思ったとき、そういう「均一さ」よりも、目の前にいる1人の人の、特殊な個性に触れることが大いに糧になると考えます。

 

ヘルベテに協力して下さっているスタッフは、それぞれ自分の領域で活躍されている大学生や社会人の方々です。

彼らがどんな仕事をしているのか、何を学び、どういう生活をして、そこで何を考えながら生きているのか。

そういった事々から子供たちが学ぶことはあまりに多いと思います。

学校で会う先生方だけでは足りないと思っているのです。

 

以上のような疑問、思いを抱えていた代表と副代表がある日ふと「ヘルベテ」をはじめようと思い立ちました。ヘルベテが利益を目的に活動していないのは、このような事情に立ちます。自ら求めて来た人たちに「学び」の手助けが出来ればと考えているのです。

 

ヘルベテという「新しい学びの場」は、まだ始まったばかりです。これからどのような展開をしていくのか、私たちも手探りで、期待を持って活動に取り組んでいます。

当面は、「学び」に目覚めた卒業生が1人でも多く世界へ飛び立って、社会を開拓し、豊かな

生き方ができるように願いながら指導に臨んでゆく所存です。

 

Hva i helvete!(一体何なんだ!)と世界に問いかけたとき、「学び」はすでに始まっているのです。

「学び」から逃走する子どもたち (岩波ブックレット)

進学格差―深刻化する教育費負担 (ちくま新書)