インターネット家庭教師集団ヘルベテのブログ

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ナオキのキモチ(2020年12月/小澤直樹)

 今年も暮れゆこうとしております。ヘルベテの進展はなんとも言えないところだったと思いますが、わたしにとって今年は良い年だったのではないかと思います。

 2020年はひたすらに自己を問い直そうとしていたのだと思います。東京オリンピックがあった(ご存知の通り行われませんでしたが)からか、日本的なものに今年前半は惹かれていたように思われます。神田伯山氏の講談にはまったり、V系バンドの己龍にはまったりしていました。

 そのなかでも、一番収穫になったのがコロナ禍で時間が有り余った時に「男はつらいよ」シリーズを全て制覇したことでした。日本的とは何かから、人生においてはじめて自身の男性性みたいなものを問うてみました。そんな漠然としたものの答えは出るわけないのですが、渥美清さんが逝去される直前のインタビューでこんな言葉を残していました。

 「スーパーマンの撮影の時に、見てた子供たちが『飛べ、飛べ、早く飛べ』って言ったってことだけど、スーパーマンはやっぱり二本の足で地面に立ってちゃいけないんだよね。だから寅さんも黙ってちゃいけないんでしょう。二十四時間、手を振ってなきゃね。ご苦労さんなこったね。『飛べ、飛べ』って言われても、スーパーマン、飛べないもんね。針金で吊ってんだもんね」

 言葉を心に浸していようと思いました。僕は他人に僕を振る舞わなければならない。それが無意識に男らしさな気になりました。これは道化や表層的な性格を演じるのとは、うまく言えませんが全然違う感覚です。自身に中の理想を恥ずかしげなく開放しているような、そんな清々しさ。

 そうしてるうちに、そんなところを随分と気に入ってくれる人も現れました。

 でも、人間弱いものでそういう面を意識してしまうと肩に力が入って、なんだかチグハグになってしまうことも多く。反省の日々を過ごしております。

 

 暫定的ですが、文学部出なのが原因かはわかりませんが、感傷的であることを、大事にしすぎているのではないか。結論はそのあたりにある気がします。美しいと思える生き方は見えてきたけれども、それに至る覚悟がまだまだ足りていないのだと。それをもってなさねばならないことが山積しています。

 

 コロナとはいえ、むしろ公私共に充実した一年でした。虎穴に入らずんば虎児を得ず。でしたか、来年の座右の銘にしようと思います。

 美しく生きたいと思います。

 

この冬休みは寒いので読書に耽りたいと思います。

 

小澤直樹