杉本荒谷の歌集
俳句
桜散る満員電車は走ります
桜舞う散歩の犬はあくびする
老夫婦土手で連なり若葉萌ゆ
朝明の躑躅の蕾サラダ味
始まりや菜の花畑の畝を舞い
水仙を手折る仕草や割烹着
雪とけて遠き山並み青からん
春雨を寿ぐ関東ローム層
春うららくしやみ鼻水しかめ面
入学式もう明日かとうとうとと
春眠や放屁一発さえてをり
都々逸
桜の下で萌え出ずる君染まる頬べがいじらしい
色とりどりのマスクの下に云うに言われぬ想い込めてる
時事川柳
布マスク要るこた要るが要らぬなり
書留を渡して早し受領印
メダリスト今の仕事はYouTube
市場へと続くよドナドナお肉券
三密でもラーメン二郎に並びたい
狂歌
学校は社会の写鑑かも給食当番総理と呼ばれ
杉本荒谷